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ポストのあれこれ
おそらく住んでいる側にとってはポストってわりとどうでも良いという人が多いでしょう。こだわりをもって選んだポストだ!と話す人ってあまり見かけません。そもそも家を買う時も「外壁はどれがいい?」「洗面台はどれがいい?」「壁紙は」と打ち合わせるわりに「ポスト」に関しては何も聞かれないなんてこともあるのではないでしょうか?あるいは選べたとしても「これでいいや!」という感覚が多いなんて話も聞いたことがあります。
住人にとってポストに触れるタイミングなんて“投函物を回収“する時以外ないのですから当然といえば当然。さらに「どんなポストが良いのか。」が全くわからないのも理由の1つでしょう。回収する時の取り出しやすさや鍵がかけられるかどうかなどセキュリティの固さ、雨風などを避けられるデザイン、オシャレかどうかなどを見て決める方も多いと思います。
「入れる側の人はどんなポストが好ましいの?」と“投函する側の気持ち“を配慮して購入するポストを選ぼうとしていた人を見た時は、こんな優しい人もいるのか!と感動したものです。多くはありませんが「ポストにこだわりは無いからなんでも良い。」だから「投函する側の人が使いやすいものを探そう。」という人がいるんです!この精神、見習わなきゃ(^^;)
ポスト売場にお邪魔してきました。
というわけでポスト売場を通りかかった際に色々なポストを撮影(盗撮?)してきました!店員さんに「写真は困ります。」と言われないようシレッとサクッと、わざとらしく鼻歌交じりでやってきましたよd( ̄  ̄)まるで新築に引っ越して新しいポストを探しに来たかのように。笑
探偵になる前には様々な職を経験してきましたが、その1つに“新聞屋さん“があります。私がトライアルバイク(バイク競技)経験者と知っていた友人が「走るのが難しいエリアがあるから手伝ってくれ!」と説得しに来たのがきっかけ。最初こそお手伝い感覚で始めたけど、その難しさ(面白さ)にハマって正社員になり、1年後には支店長まで務めました。
その頃はポストに投函する側だったのでスタッフ同士「あそこのポストは…」という話題も出たり、ポストの買い替えを検討中のお客さんが「新聞屋さんはどんなポストがいい?」とわざわざ聞いてくれたり、様々なポスト事情に触れていたものです。
そうなんです。実は「投函する側」にとっては“いいポスト“と“嫌なポスト“があって、嫌なポストにはできるだけ当たりたくない(担当になりたくない)という想いがあるものなんですよ。投函する側の立場を経験しなければ考えることすら無さそうな話。
だけどこれが意外と重要。郵便屋さんも急いでいる人が多いけど、新聞屋さんは特に急いでいることが多いので、投函しにくいポストは雑になってしまうことも少なくありません。もちろん配達する人の性格次第ですから几帳面タイプの私はきっちり入れていましたが、そうでない人は“投函した“という事実さえ残れば任務達成的な感覚。
新聞入ってたけど破けてる。とか、いつもグシャッと入ってる。なんて苦情を受けるスタッフは必ずいるものでした。しかしスタッフを責めることができないこともあるのです。それは入り口が小さいタイプのポスト。
投函物のことは考慮されてない口の小さなポスト。
オシャレなポストに多いタイプで、口が小さすぎて大きな物は投函しにくい“嫌なポスト“です。新聞なら三つ折り、四つ折りにすればどうにかなることもあるけど、投函物が薄い日もあれば厚い日もあり、金曜と土曜はチラシによってえげつないほどの厚みが出てしまう新聞ですから、三つ折りにするのも無理な場合が少なくありません。
解決策としてはポストの中身を確認したり回収したりする“家主が触れる内側から入れる“こと。場合によっては門を開けてちょっとだけ敷地内にお邪魔して投函する、などの手間が必要になります。
探偵みたいに“口がかたい“ポストも嫌われ者。
投函口がスプリング(バネ仕掛け)によって押し込むと開き、投函し終えるとパタンと押し戻されて閉まる構造のものが結構多いです。あるいは重力に任せただけの構造で口が閉まるなんてポストもあります。いずれも雨の侵入を防ぐために取り付けられているわけですが、このスプリング圧力が強いものは嫌われ者。
基本的に投函する時は手に持った投函物でそれらの口を押してそのまま入れます。手のひらより小さい投函物ってなかなか無いと思うので、投函物で押し込むのは必然。決して雑に扱っているわけではありません。
しかし薄い新聞や手紙、ハガキなどを投函する際、ポストの口を押し戻しているスプリングの圧力が強すぎると投函物に傷や折れがついてしまうのです。初めて投函する時なんてそんなこと知りませんから、普段通りに押し込もうとしたら新聞がグニャリと折れてしまう…そんなことになってしまうんです。封筒やハガキなら尚更悲惨でしょう。
片手なら指をうまく活用して口を少し開きつつ投函物を押し込んだり、あるいは片手で開きながらもう一方の手で投函物を入れる…なんて対応ができますが、基本的に片手はアクセルとブレーキを握っているわけですから離したくありません。できるだけ片手で素早くスムーズに投函したいのが配達側の気持ち。
投函口のないフリップアップ式は面倒臭さトップクラス。
写真は上部に投函口のあるポストですが、こういうデザインで投函口のないものもあります。手動で持ち上げて支えておき、もう一方の手で投函して、バタンと勢いよく閉まらないようにゆっくり閉める…。配達員に対して、なんて優しくないデザインなんだ!と不評の極みみたいなポスト。いつも思っていたのですが、これって回収する家主さんも面倒臭いんじゃないの?笑
しかも分厚い鉄板みたいな素材で、開閉する蓋も重いものもありますから、その場合は配達員達の会話で「あそこ嫌い。」と言われる率高め。お客さんは悪くないから正確には「あそこのポスト嫌い。」なんですけどね。笑
おしゃれなアメリカンポスト。
アメリカンポストと呼ばれるタイプだとブリキのような薄い鉄板でできているのですが、投函口がスプリング式のもの、常に口が空いているタイプ、そして蓋になっていて手動開閉しなければならないもの、様々あって面白いです。
だけど実は中が広くないから(郵便屋さんはあまり思わないかもしれないけど)新聞屋さんは好きになれないポスト。金曜や土曜の分厚い新聞をどう入れるか…その時の厚みによってはポスト前で四苦八苦していたりするんですよ。
「今日はあそこのアメポ(アメリカンポストの略称)で1分近くロスしちゃったよー!」なんて会話、配達後の早朝によく聞いたものです。1軒にかける時間は秒単位でいかに早く済ませるか…意識高い配達員はそこらへんを考えて、いかにお客さん達に素早く届けるかを追求しているので、担当エリアにどんなポストがあるのかは重要なんですよ(^^)
この2手間必要なタイプは嫌いだった。
家主にとっては汚れにくくて良い手動開閉式の蓋。しかしそれを開けたら、今度は口の大きくない2つめの蓋。厚みがあるのに…という時は「ちくしょー!」と叫びたくなる“面倒臭さトップクラス“の2枚蓋ポスト。しかも口が狭いくせに内蓋に鍵がかけられている時なんて「これはどうしろと?」とポストと格闘。結局どう頑張っても入らないから、仕方なくポストの上に置いておいたということもありました(^^;)
ちなみにこれ、うちのポストです。配達員さんごめんなさい!面倒臭さMAXだってよくわかっているのに、うちは使ってます。笑 というのも住宅購入時にポストの種類を全く聞かれることなく、建設途中で確認しに見に来た時からすでに取り付けられていました(^^;) 新聞を頼んでいるわけではないから分厚い配達物って滅多に無いし、まぁいっか…とそのままにしています。
家主的にはセキュリティ面や汚れにくさで選ぶなら間違いないデザイン。だけど配達する側には手間がかかりすぎて面倒臭いポスト。本来、配達する側の人に気を使う必要なんて無いのかもしれないけど、中には配達員に対して気遣いをしてくれる人もいます。「ここに投げ入れてくれれば良いから!」と投げて入れられるように平たい箱を製作して置いておいてくれている人もいて、感激したこともありました。
真逆で「それがお前の仕事だろ?」と言わんばかりに配達する側のことなんて何も配慮してくれない人だっています。例えば「毎日、玄関ドアの前に2時40分までに置いておいて。」と自己中心的な注文をしておきながら、そこに置くために通る門には鍵代わりに針金がぐるぐる巻きにしてあったり…。笑
いやいや、配慮無さすぎでしょ!ていうか他のお客さんより自分を優先しろってどういう神経!?効率的に回るためにルートまで組んでるのに、時間ロスしてでも先にこっち来いって殿様かよ!と嫌な気持ちになるので、私の場合“継続の勧め“はしないで自然と解約する方向へと誘導してましたε-(´∀`; ) だってデメリットしかないんだもーん。笑
“口も容量も小さいポスト”と同じように”器の小さい人”もいる。
実に様々なお客さんがいて面白いなと思っていましたけど、営業の基本でもあり、生活しやすさの基本でもある“人と人“ということを忘れないほうが良いと感じていました。配達してくれる人も人間ですから、仕事上の付き合いと言えど必ず影響があります。
例えば、たとえ金払いが良くてもクレーマー的存在のお客さんには雑な配達やサービス品をケチるなどの対応になりますが、普段から良くしてくれるお客さんには丁寧かつ時々余る別紙をおまけしたり、サービス品だってできるだけ多く渡したいもの。おいしいキャンペーンなど良い話があれば真っ先に紹介します。人間なんだから当たり前ですよね。
支店長としてスタッフ達を見ていた時もやはりそれは感じていました。人に優しいお客さんは結果的に徳をして、優しくないお客さんは結果的に損をしています。これは他の職場で見ていても全く同じでしたし、自分で会社を持った今でも同じことを感じています。
営業の基本であり、人付き合いの基本なのに、なぜかお客さん側になると偉そうになる人が少なくない世の中。営業する側が偉そうにしてることも増えましたね。妻が「家では小さくなってるから外だと偉そうにしてるんだろうね。」と言ってるのを聞いて、なるほど確かに!と納得しました(^^;)笑
口も容量も大きい、投函する側に優しいベストなポスト。
ポストについては家主の好きなポストで良いと思います!あくまで配達する側の事情を紹介したらそれはそれで面白いかもと思って記事にしただけですので、選ぶ側ももう少し気遣ったほうが良いのでは?とかそういう話ではありません!
だけどここまでの記事を読んでいて、買うなら配達員に配慮したこのポストにしようとか、こういうのは大変そうだから避けようとか相手側のことを少しでも考えようとした人がいたのなら、あなたは間違いなく“優しい人柄“です。そんなの知らない、考えてられない、と思う人が大半であろう中で、相手を思いやる気持ちがあるのは本当にすごいことですよね!
ところで上記のように”思いやりのある優しい人は夫婦”ではうまくいっている確率が少し高まり、”パートナーへの配慮が行き届いていない人”はやはり家庭でも同じなので夫婦間に溝があることが多いのも探偵の相談窓口あるある。
相手への気遣いや配慮をしているつもりなのでしょうけど結局は自分本位な人…これは対象者によく見るタイプ。対して、一見すると自分勝手に見えるけど、実は細かいところまで相手への配慮ができている人は、やっぱりパートナーからの満足度も高いようで浮気トラブルに見舞われてないんだなと気付かされることも。
ポストに投函する側のことなんて考えてられるか!知ったこっちゃない!それが仕事なんだから文句言うな!などなど思った人は、パートナーから不満に思われているかもしれませんよ?
…いやいや、そのままで結構です!わざわざ性格を直す必要はありません!そんなあなたを選んだパートナーですから、したたかに探偵を雇って裏取りを進めている、あるいはこれから進めることでしょうし、そんな自業自得な方がたくさんいてこそ探偵は成り立っている…いや、世界が成り立っているので(^^)b笑
次回更新日:2月25日
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