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伝わらない説明
好きな映画を観ている時の話です。
隣に妻と子ども達も座っていましたが、あくまで観ているのは私だけで皆それぞれ好きなことをしてました。
とあるシーン。
青年が働いている革職人の作業工房にイチャモンを付けに来たマフィア。
その青年を一番弟子として息子同然に可愛がってくれていた親方が、イチャモンをつけてきたマフィアの話に取り合うも、逆上したマフィアに殴り殺されてしまいます。
血まみれで倒れている親方のそばで立ち尽くす青年。
そこにもう1人の弟子が帰ってきて、その場の荒れ用に「何があった!?」と立ち尽くしている青年に聞きます。
しかしショックのあまり無表情で何も反応がなく、さらに何度も呼びかけられ、ハッとしたように我に返った青年が「うわぁーーー」と叫ぶ…
とても笑えるようなシーンではありませんが、隣で好きに遊んでいたはずの長男がいつの間にか映画に観入ってました。
そして私に質問をぶつけてきたのですが、そのやりとりがなんとももどかしく、笑えないシーンを一瞬で笑えるシーンへと変えたのです。
青年が無表情で立ち尽くしているシーンで
「なんでこの人ボーっとしてんの?」という質問。
幼稚園児には青年の気持ちはまだ理解できないのでしょう。
「ショックなんだよ」と答えると、長男の返答は…
「ガーン!ってこと?」
不謹慎な表現ですが間違いではありません。笑
そして我に返って叫んでいる青年のシーン。
またも長男の質問が…
「なんでワーワー言ってん?」
なんとも緊張感のない質問に少し吹いてしまいましたが、一応重苦しいシーンです。
「ショックのあまり壊れちゃったんだよ」と答えました。
すると長男、すごく驚いた表情をして私のほうを向きます。
何事かと思いましたが、次の質問でその表情の真意を知ることができました。
「この人、ロボットなん!?」
大人なら、その場のシチュエーションや流れ、雰囲気、様々なことを考慮して「壊れた」の一言でも意味が通じます。
しかし幼稚園児相手なので、一応少しは噛み砕いて「”ショックのあまり”壊れちゃった」という言い方をしてみたものの、私の配慮は全く足りていませんでした。
壊れたという比喩表現を使ってはいけなかったんですね。笑
壊れるのは確かにロボット。
妻とゲラゲラ笑って、その後しばらくの内容が頭に入ってきませんでした。笑
シリアスなシーンを笑いに変えた長男。
なぜ親達がゲラゲラ笑っているのか不思議そうに見ていました。
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