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リアルな被災を学ぶ 〜物編〜
前回の「出来事」編でおおよそわかってきましたが、被災生活では基本的に人は信用できないもの。
もちろんあんなのは序の口で、ただの入門編レベルなので、実情はもっと悲惨だし、紹介したのも極一部です。
よく聞くのは、誰もが出くわすという通称「くれくれ」と呼ばれる人種。特に備蓄等を全くしてこなかった人が、この“くれくれ“に変身するらしいです(^^;)
お察しの通り、あらゆる理由をでっち上げてまで物をせびる人種のこと。生きるのに必死だろうし、相手がファミリーだったら無視しずらいですが(^^;)
「子どもが熱で」「祖母が大怪我していて」等、どんな嘘でも平気で口にする人も多かったそう。
内緒にしてね。今回だけだよ。そんな甘やかしは絶対NGで、必ず後悔するそうです。1度やったら永遠と付きまとわられるし、くれくれがたくさん寄ってくるようになる…ゾンビ映画で囲まれるシーンが思い浮かびました(^◇^;)
ロングスカート推奨の女性が多数。
個人的にものすごく意外だったのは、女性の被災経験者からは「ロングスカート」を推奨されていること。
避難所等ではトイレや着替え、授乳など、当たり前に覗かれるので、それを防御するために便利なアイテムのようです。
着替えでも胸の上までたくし上げてしまえば、水着の着替え用タオルと同じ役割を果たしてくれます。トイレの際も脱がずに目隠しになる等、幅広く活用できるんだとか。当たり前ですがタイトなものではなく、できるだけゆったりしたものを選んでください。
なるほど、男性には思いつきもしない防御術!これは絶対に広めるべきだとピックアップしました。
防災用の着替えには、動きやすいパンツ等を備えがちですが、ロングスカートも追加すべきですね!両方あれば防寒にも役立つでしょう。
メガネはテッパン!
これは常識範囲かもしれませんが、コンタクトレンズを普段使いしていると忘れがちですよね。
そう…コンタクトなんてつけていられないので、必然的にみんなメガネに切り替えることになります。水も保存液も貴重な存在ですから、コンタクトなんて管理がままなりません。
しかし日々使わないでいると、避難バックに入れるのもついつい忘れがち。メガネを普段使いしてる人でも予備を入れておきましょう。
稀に「コンタクト用の洗浄液とケースを避難バッグに…」なんて考える人がいるみたいですが、やめてください。はっきり言いますが、それアホですよ。笑
ちなみに私はコンタクトは辞めました。いつ被災することになっても、最初からメガネであればリスクが小さいからです。しゃれっ気のあるデザインもたくさんあるし、仕事柄イメチェンしやすい道具は助かるので尚更ですね。
見えない=危険。
以前にも紹介したことがありますが、万が一の時にライトは重要な存在となります。普段使いでも便利なアイテムですが、被災時なんて“無いと困る“もの。
大停電した上に、色々と崩壊、真っ暗で足場が不安定。屋内では割れたガラスが散乱していたりするのは当たり前。
そんな時にライトが無いなんて、考えただけでも危険ですよね。スマホの頼りない拡散式ライトで地道に移動しますか?いつ余震があるかも判らないし、早く避難したいのに?
だからこそ普段から肌身離さず、信頼できるライトを持ち歩く癖をつけてしまえば安心。最初は邪魔だし、普段使いの場面もよくわかりません。
しかしいつも持ってると、普段使いでもすごく便利だと気付きますし、癖付いてしまえば邪魔ではなくなります。持ち慣れないものでも1ヶ月も携帯してみれば、あって当たり前の存在になるのでお試しあれ。
ランタンもかなりの人が「欲しかった」「あって良かった」と話しているアイテム。よく防災リストにピックアップされる”ロウソク”は、火事のリスクから使える場面が限られますし、サブ的存在ですよ。
お金はコインが大切。
前回のお話通り、ATMは破壊されてしまいますし、そもそも電気がなくて使えません。だからこそ現金で手持ちが必要になります。
そこで“かさばらないように万札を“と考えがちですが、よく使うのは小銭だそうです。公衆電話は人がごった返すほど貴重な存在になりますが、コインが必要。かろうじて金銭のやり取りが機能する場所でも、おつりが無い。できるだけピッタリの金額で支払わなければならない。
あらゆる場面で小銭は活躍する一方「お札は焚き火にしか使えない」と揶揄されるほど出番少なめらしいですね。お札が必要なのは、ガソリン等の大きな金額を動かす時くらいでしょう。
もちろんクレジットカードや電子マネーなんて、なんの役にも立ちません。普段からチャージ等は最低限にしておきましょう。現金持たない主義が増えてますが、全部電子化しないでコントロールしておかないと被災時は詰みますよ。
割れない食器とサランラップ。
これも常識範囲かもしれませんが、とても重要です。アウトドアの場面でも大切さは痛いほど学べましたが、洗い物を減らして水を節約する意味で必需品。
サランラップで食器を包んで汚れないようにするだけです。食事後にラップを捨てれば事済みますから、洗い物は皆無。
プラスチックやバンブーファイバー、木製などの割れない食器も重宝します。大地震で割れた、落として割れた、なんてなっても入手できません。
個人的にはプラスチックよりもバンブーファイバーのほうがオススメ。丈夫だし、小さなお子さんにも(プラよりは)安心な素材ですし、少しだけ温かみがあります。好みだけで言えば木製の食器がいいけど、まれに割れることがあるので災害対策には微妙なところ。
ストーブの上で何かを焼きたい時や、簡易的な器など、様々な場面でアルミホイルも重宝します。
ほぼ全員、水に困った。
もはや当たり前にイメージできる「水不足」ですが、重要なのは必要量の把握。我が家の水のストックでさえ「こんなに?」と驚かれるのに、それでも足りないと思い知らされました。
被災経験者の多くが「水はいくらあっても困らない」と口を揃えていたほどだそうです。5〜6ケースもあればOK?いやいや、甘すぎます。
1週間とかで救援物資が届けば良いけど、そうとも限りません。例えば富士山の噴火による想定では、最大3ヶ月、個人宅が孤立する可能性…なんて話も国が発表してます。火山灰の影響で交通が酷く麻痺して、物資の運び入れが困難だからですね。
場所をとらずに備えたいとなれば、やっぱり濾過装置の準備でしょう。ストックの飲用水と浄水ろ過ボトル、ダブルで用意しておけば尚安心です。
このあたりもサバイバルシリーズで取り上げたことがあるので、是非ご一読ください。
意外にも衛生用品?
私達夫婦のように潔癖気味ならわかるけど…と思いましたが、聞いていたら実はかなり重要でした。特に“装備が充実してなくて避難所に行く“のなら、必ず持っていたほうが良いでしょう。
避難所の様子で「あれは悲惨だった」と自衛官が語ったのは、病気の蔓延。そこに寝泊まりするしかない以上、感染リスクは非常に高いのです。
すし詰め状態の避難所は、ノロやインフルなどが一瞬で広がり、ほぼ全員がゲロゲロ、ゴホゴホ。地獄絵図だったそうです。なんせ避難所のトイレはどこも不衛生極まりないらしいですし。
極一部の難を逃れた人はマスクやお手拭きの装備がしっかりしていたのだと聞きました。早々に屋外に避難して感染を逃れられたそうです。
超意外すぎるアイテム。
個人的に驚いたのは「マンガやトランプ」といった娯楽品。実はこれは精神的な支えとして、かなり重要なことが判明しています。
普段でも、しんどい時に何もしないでいるのって辛いですよね。いつ普通の生活に戻れるのか予想もできない環境では、多くの人が塞ぎ込みます。
しかしマンガやトランプなどの娯楽品で「すごく精神的に助かった」と話していた人がたくさんいました。「これマジで重要だから!」と災害対策調査員の友人はゴリ押ししていましたよ(^^)
やはり盗難などもあるそうですから、保管は見えない場所へ。しまう時も誰かに見られていないか確認しながらを徹底してください。
埼玉の女子高生ってどう思いますか?は、アイビー探偵の拠点「行田市」が舞台。ゆるくて平和な話が癒やしてくれるマンガです。気になる方はアイビー探偵にて試読できますので是非。
備えるのは時間がかかる。
本当の現場を知ることで色々と見えてきます。数をこなさなければならずに、適当にコピペで作られているような情報サイトではわからないことだらけ。
準備だって金銭的な問題から一気に買えるわけじゃないので、揃えるまでかなりの時間がかかります。
備蓄は甘味も必要、お茶やコーヒーなども飲めるようにする。衛生のためにトイレ凝固剤や簡易トイレも備える。どこが倒壊するか解らないから、防災用品は分散させて保管。などなど紹介しきれません。
防災用品の準備をしていない人は6〜7割、備蓄も半数程度の人しかしていないとのデータも。その人達が困るのは自業自得ですから構いませんが、準備をしていた人達から奪おうとするあたりは気に入りませんね。
そんな現実も知っておかないと損をしかねません。2週に渡って紹介した入門知識、誰かの役に立つ情報であれば幸いです。
災害対策としても役立つアイテムや知識を過去にブログ記事として公開しています。知っているというだけでも不安が軽減されるかもしれません。
次回更新日:2月2日
【アイビー探偵】
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