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どっちが良い?夏と冬の張り込み

よくある質問の1つで「張り込みの時、猛暑と極寒、どっちがマシ?」という話が持ち上がります。

現場業務が頻繁でもなければ長時間でもない私的には「冬のほうがマシ」と思っていました。暑さは避けられないけど、寒さは着込んだり動いたりしてれば、なんとかなる…からです。

しかし、いざ現場スタッフにアンケートを取ってみたら、8割は「夏のほうがマシ」と答えたので、非常に興味深い回答となりました。

ちなみにアイビー探偵の調査スタッフのみならず、他社の現場調査員からもたくさんアンケートを取った上での割合です。

張り込みとは。

一般的な張り込みのイメージは「その気になれば素人の自分もできる」と思える程度のようです。

おそらく映画やドラマなどで、涼しい顔して立っていたり、車の中から身を潜めて監視している印象だからでしょう。

いつだったか「牛乳とアンパン」を手にしている刑事ドラマが多いことを「本当なのか?」と検証していた番組もありました。

番組では本当だったと結論付け「なぜ牛乳とアンパンなのか?」さえ調べてましたが、それら全て”テレビ用のSHOW”です。真実ではありません。

本当の監視業務。

当然ですが「楽な位置で張り込める」とは限りませんし、状況によっては過酷な場所で野晒しになりながら、ひたすら対象が現れるのを待ちます。

探偵的には当たり前すぎて触れることも無い話ですが、もちろん「いつ現れるのか?」は全く判りません。

30分後かもしれないし、5時間後かもしれない。わからないまま結果的に12時間張り込み続けた…なんてことも珍しくありません。中には3日間ずっと…なんてこともありました。もはや狙撃手(スナイパー)と同じです。

その間の精神的な負担は、暑い寒いなどの環境的なものだけではなく、周りの人の目や「いつ捕捉できるのか?」がわからないこと。

監視を途切れさせることはできないため、トイレに行かないよう飲食も控えます。ここらへんは業界では常識レベルでしょう。ちなみに現役の刑事さんでさえ、同じ回答でした。

グローブ

時には、からまれる。

探偵あるあるですが、当然ながらご近所さんに不審がられて大勢に囲まれたり、チンピラに絡まれたり、通報されて職務質問を受けるなんて日常的。

ご近所さんがわさわさと集まってきたら適当に言い訳して逃げる他ありませんが、当然その付近での張り込みはできなくなります。

チンピラに絡まれても穏便に済ませなければ目立ってしまいますから、やんのか?この野郎!的な態度は厳禁。”とにかく我慢して回避”が鉄則。

まれに「上等だ、コルァ!」と血走ってしまうバカちんもいましたが、当然調査スタッフとしては失格です。笑

お前が目立ってどうすんだ…と呆れられるのは言うまでもありませんし、もちろん以降、調査員として使われることはありませんでした。

気弱な人には向いてない。

警察官による職質は、名刺にも記載してある「公安委員会探偵業届出番号」を照会してもらって、事なきを得ることができます。

しかし、中には警察官ではなく黒服のヤ◯ザ屋さんに囲まれたりなども、ちょいちょいあるのが現実。

そりゃあ「同業者に調べられてる可能性」などを警戒するでしょうし、何回か「おたく、どっち?」と聞かれたことも。

どっち?とは、警察官による張り込みなのか、探偵による張り込みなのか…という意味でしょう。

詳細を伏せつつ全く関係ない件で探偵調査である旨を伝えられる人なら問題ありませんが、モゴモゴしてしまう人は大抵騒がれてます。

大勢に囲まれて「誰だ、テメェは!?」などと凄まれて、体のサイズが半分くらいになってしまっていた新人を見た時は可哀想になってしまいました。笑

そんな時でも冷静にいられるくらい肝が据わってなければ、正直務まらない業務です。「絡まれそうなんで張り込み位置変えて良いですか?」等を申し出てくる人もいましたが、現場主任の副社長も呆れてました。笑

CX180

張り込みは簡単ではない。

おおよそ「張り込みとはどういうものか?」をご理解頂けたかと思います。

ただ見ていれば良いだけではなく、あらゆるストレス環境下で、たった一瞬の捕捉を見逃さないように集中し続ける監視業務。

たとえ10秒でも目を離すわけにはいきませんし、撮影しなけらばならない以上、現れたその瞬間にレンズ越しで捉えないといけません。

捕捉した時に、どんな移動手段なのか?等も瞬時に判断して次の行動を決める、または準備しておく等、まだまだ色々とありますが、今回は触れません。

通常時でさえ、最低限これらのことが付随してくる業務であることを理解してもらったところで、本題の「暑い中」「寒い中」での張り込みの話に移ります。

灼熱の太陽

夏の張り込み。

まずは夏の張り込み。猛暑だろうが、日陰が無かろうが、対象者が現れた時に捕捉、撮影できる位置から監視します。

車から張り込める場合でも、エンジンを停止して無人車両(駐車してあること)を装う必要がある時も少なくありません。

その場合、車内は拷問用サウナ室になるので、命の危険を感じるし、殺してくれと叫びたくなるような辛さ。

それよりは屋外のほうがマシですが、前述した”基本”通り、トイレを避けるために水分補給はあまり好ましくありません。

もはや熱中症なのでしょうけど、頭痛や吐き気と戦いながら…なんて真夏の張り込み業務。毎日、頭痛が残ってるのが当たり前なほど熱中症だけど、ギリギリの範囲で水分調整します。

冬の張り込み。

ただでさえトイレが近くなるような季節なので水分は摂りません。

車内から張り込めるのであれば、霜に当たらずに済んでマシなほうですが、車両張り込みできない場所では野晒しです。

骨の芯まで凍え、痛いうちはまだ良いのですが、やがて感覚は無くなり、どんなに着込んでも震えは止まりません。

街中ならマシですが、田舎エリアでは風も吹くし雨や雪で濡れると命の危険さえ感じます。まして海の近くだと強風によって著しい体温低下は避けられず、意識朦朧とすることも。

着込んでどうにかなる。動いてどうにかなる。そんなレベルでは無くなってくるのが冬。

副社長は「3時間ずっとスクワットしたりしてたけど無理!」と嘆いてました。片足180回ずつという極真流スクワットで、ずっとやってきた彼だからこその3時間ですが。笑

精神的に耐え難いのが冬

多くの探偵が「冬は無理」と答えた理由を聞いてみたら、直接感じる外的ストレスではなく、そこから影響を受ける「精神的なモチベーション」と答えました。

暑い時はどんなに辛くても、気持ちが沈むことはないため、どちらかというと「イライラ」する。

反対に寒いと気持ちは沈み、鬱っぽくなってきて「泣きたくなる」ような落ち込みがある。

とにかく気持ちが落ちて、モチベーションは下がり、辛いの一点のみ。

夏は「いつ現れるんだよ!」とイライラし、冬は「頼むから早く姿を見せてくれ」と懇願する…そんな感じのようです。

陰陽で言えばイライラは陽なので、精神力はそこまで削られていないけど、泣きたくなるような落ち込みは陰なので、かなり削られているのでしょう。

「毎日」だからこそ。

私も現場への参加はありますが、夏のほうが辛いと感じていましたし、なぜ彼らと同じ意見にならなかったのか?と少し考えてみました。

根本的な得意不得意も関係あるかもしれませんし、当然個人差だってあるでしょう。

しかし”毎日現場にいる調査員”の場合、私のように”他業務の日もある”わけではないため、必然的に「毎日削られている」と言えます。

例えば「時々参加する調査員」なら、精神的体力も削られてないため耐えられるけど、毎日現場に立っている人はそうはいきません。

この違いは大きいのかもしれないと感じた、貴重な調査スタッフの意見。やっぱり現場担当のスタッフには頭が上がりませんね(^^;) つくづく感謝です。

 

 

 

次回更新日:11月21日

 

 

 

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