普段から色々なことで騒動を起こすいわゆる”お騒がせキャラ”の妻。
明るいからこそ騒がしいとも言えますが、時々溜め息をつきたくなる内容に付き合わされる場面もあります。笑

私の家系は親や親戚も含めてムスッとした（良く言えば物静か）な血筋なので、妻の実家のみんなのように超元気！というのは憧れでもありましたし、よく喋る、よく動くなど憧れもありました。
明るくハキハキしているので周囲からの印象も良い一家。
しかしよく喋って、よく動く人にありがちな”そそっかしさ”は妻の実家だけならず、妻自身もやっぱり持ち合わせていて、そんなに騒がなくても解決するよ…とばかりに私が淡々と対応して、騒ぐ妻を傍らにサクッと事態収拾も過去に多数。笑

例えばですが…
庭のガーデニング用のホース取付口が蛇口から外れてしまって、勢いよく水が吹き出している場面で「ぎゃーーー！」と騒ぎつつ、あたふたホースを取り付けようとしてバシャバシャ水を浴びるようなタイプが妻。
驚くことなくスタスタと近寄って蛇口を閉めてから、サクッと取り付けるようなタイプの私。
といったところでしょうか。

「魔女の宅急便」のオソノさんとフクオさん夫婦みたいだと言われたこともあるので、そんなイメージだと思います。
正反対だからこそ歯車のようにうまく噛み合って助け合えるというのは、よく痛感することなので、やっぱり夫婦はうまく出来てるんですねー。

さて、ある日の騒動の話です。
妻が自宅で夕飯の準備をしようとキッチンに立った時、ある異変に気付いたそう。
それは”あるもの”がキッチンから姿を消して、周辺を探しても見当たらない…子ども達に聞いてもわからない…という状況。
私はまだ外回り業務で帰宅しておらず、妻からの電話に出たのは次の目的地に向かっている最中の車内。

妻からの電話に出るといつもより騒がしく切迫した空気感ですぐに異変を感じ取りました。
「何時に帰ってくる！？すぐ帰ってこれない！？」
何事か！と思うようなセリフに、とりあえず落ち着いて状況を話すようになだめます。
すると妻の答えは「フライパンが無いんだよ！」という意外すぎるもので、私の頭の中はしばらくフリーズ。笑

キッチンから消えたというものは、いつも使っているフライパン。
そしてキッチンだけでなく、１階のあらゆる場所を探しても見つからない上に、探している最中に２階でガタンッ！と何かが倒れる音がしたのだと話していました。
…ほう…それで…？
と続きを聞いてみれば”誰かが侵入してフライパンを武器に２階で潜んでいるかもしれない”というパッパラパーな妻の予想。恥ずかしげもなく堂々と言い切りました。笑

フライパンを武器に？
キッチンで武器を選ぶなら包丁でしょ。
しかも逃げ道のない２階にわざわざ潜まないんじゃないかな。
と心の中でツッコミながら「２階の物音は何かが倒れた音で、フライパンはきっとどっかにある」と話します。
しかし「いや、違う！そんなはずない！早く帰ってきて！」と大騒ぎ。

次のアポイントもあったので、とりあえずそれを早急に済ませてから帰宅すると話して電話を切り、約束通り大幅な時間短縮で帰宅。
聞けば電話を切った後はビクビクしながら１階から移動せずに、すぐ逃げられるよう車の鍵やバッグを持って夕飯を作ってた…と。
しかも２階の物音を確認させるために当時小学生にもなってない長男を行かせようとしたけど、怖がる妻の姿を見て長男も怖くなったのか「ムリムリ！」と全力で拒否されたとか。笑

誰かいるかもしれないなら子ども行かせるのは論外っしょ！とまた心の中でツッコミながら、２階の各部屋やクローゼット、屋根裏まで確認しました。
もちろん誰もいません。
そして不安定に置いたせいで倒れたであろうオモチャが子ども部屋にあります。

１階に戻って話を整頓しつつ、詳細を追求。
そもそもフライパンってどんなものなのか。
いつも使ってるフライパンって、この前買い替えたやつ？
色々事情聴取していると、ハッとした表情を浮かべてから呼吸困難になりながら１人で笑い出す妻。
とうとう壊れたか…と落ち着くまで見守ります。笑

そして妻から衝撃的な言葉が。
「そうだ！フライパン買い替えたじゃん！」
とキッチンに置いてある、さっき使ったであろう新しいフライパンを手に取り、
「古いの捨てたんだった！」
とゲラゲラ笑ってました。

買い替えてから数日、新しいフライパンを使って調理していたというのに、その矛盾した状況に気付かない妻の狂気。
その新しいフライパンを目の前にしながら「いつものフライパンがない！」と使い古したフライパンを探していた姿を想像すると鳥肌ものでした。笑
その瞬間は、そそっかしさを笑ってあげられるような気持ちになれず、引きつった苦笑いをするのが精一杯！
早めに仕事を切り上げた帰り道に、フライパンってそりゃもちろん買い替えたやつだよな…まさか自分で捨てたフライパン探してないよな…と頭をよぎりましたが、そのまさかが現実に起きていたホラー話でした。笑

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