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車両整備 〜点火プラグ〜
一般家庭の車は1年1万キロと言いますが、探偵の車はそうはいきません。どんなに少なくても1年2万キロ、通常でも3〜4万キロは走ります。ひどい時は1年で5万キロなんて年もありました(^^;)
ガソリン代でさえものすごい金額になってしまいますし、オイルやフィルター、バッテリーやタイヤなど、通常メンテナンスもかなり早いサイクル。
そんな過酷極まりない探偵の車両達。全て整備工場に出していたら、それこそ経費がかさんで大赤字。だからこそ勉強して、できる範囲はセルフメンテナンスを行っています。「経費削減」に加え「スキルアップ」にもなるので苦ではありません(^^)
そんな調査車両達の整備を記事にて紹介することにしました。整備士でもないのにできてしまう範囲なので、紹介するのは簡単な作業のみ。全てディーラーや整備工場に任せています!というセルフケアが苦手な方に「自分もやってみようかな。」と思ってもらえたら本望です(^^)
点火プラグ。
今回のメンテナンスは「点火プラグ交換」。エンジンの中にガソリンと空気を混ぜた霧が吐き出され、そこを常に点火、爆発。そうやって動力源を得て車は走っています。その“点火“をするためのパーツが、この「スパークプラグ」。
車ごとに使うプラグが違うので、説明書に記載されている“型番“を要確認しましょう。説明書が無ければネット検索でも確認できます。直接プラグを外して確認する手もありますが、正直面倒ですよね(^^;)
価格は1本1,000円程度のものから10,000円ほどするものまでとピンキリ。基本的には高いものほど寿命が長いです。高性能なものなども高価ですが、一般車ではあまり差を感じることはできません。
レーザーイリジウムプラグ。
調査中のトラブルは困るので、高耐久/長寿命のプラグを選択しました。このプラグなら5〜10万キロは無交換で使えます。1,000円程度の安いものであっても1万キロは使えるそうなので、乗り方によってはそちらでも良いでしょう(^^)
交換することで燃費が良くなったり、エンジン点火が安定したり、様々なメリットがあります。無交換で乗り続けると燃費悪化だけでなく、エンジンがかからない。走行中にエンストするなどのトラブルも起きるので要注意。
使えなくなるまで使う!というのも、他のパーツへの負担が大きくなり、別部品の交換が早まります。つまり「もったいないから使い倒す」はむしろ後々の出費がかさむので、早め早めの交換が最もコストパフォーマンスに優れているんですよ(^^)
スペーシア・カスタム
今回はスズキのスペーシアカスタム(MK32S)という車両。現在は芦田愛菜ちゃんがCMを担当していますが、これは数年前に舘ひろしさんがCMしてました。「いい面構えだ!」というセリフが印象的だった車で、箱型が好みではない私も「すっきりしてて良い顔」と思ったスペーシア 。燃費も車内の広さも、調査車両としてとても優秀!
参考値として…燃費22〜25の低燃費。エアコン(A/C)を使うと18〜20まで落ちますが、それでも充分優秀。丸一日エンジンをかけっぱなしにしていてもガソリンタンクはもちます。
車内が狭いと長時間の張り込みでは苦痛。かといって大型車だと張り込み場所を選びます。総合して「ちょうどいい調査車両」の1つとなりました。
ここしばらくアイドリングが不安定でしたし、CVTだというのに加減速ではギア比を変えるような区切りを感じてます。さらに急な坂道ではグォングォングォン!と息切れしながら登る不安のあおりよう。笑
エンジンルーム。
プラグ無交換で11万キロ以上を走行。とりあえずエアクリーナーのボックスを取り外すため、10mmボルトを外します。エアクリーナーはエンジン内部へ空気を送る際、吸引した空気に混じった虫やほこりをキャッチするためのフィルターが入っている箱。
この車両の場合、このエアクリボックスの下にエンジンという構造。必然的にこれをどける必要があるんです。丸部分のネジを外してパコっと…そうしてようやくエンジンへと到達。
エンジン。
エアクリーナーボックスをどけたら、エンジンにコードが3つ伸びています。これはイグニッションコイルというパーツで、この下にプラグが収まっているため、これも取り外しましょう。
スペーシアは3つのプラグを使っていますが、この数は車によってまちまち。もう1台のプライベート兼用の私の車両は、倍の6本使いました。
イグニッションコイル。
ツメで支えられているだけのコードを外してから、スポッとイグニッションコイルを取り外します。
イグニッションコイルは高い電圧を発生させる装置。これがプラグに火花を散らさせてくれて、エンジンが燃焼できるので重要な部品。
本来はこれも10万km毎に交換すると良いと言われていますが、今回はプラグのみ交換します。ちなみにプラグより高価で、1つ10,000〜20,000円ほど。
交換中。
そしてエンジンにぽっかりと空いた穴に、専用工具でもある“プラグレンチ“を突っ込んで、クリクリと回しましょう。
ここで「専用工具じゃなきゃダメなのかよ!」と諦めるのはまだ早いですよ(^^)専用と言っても1,000円もしないで買えるものもありますから、はっきり言って工賃よりはるかに安く済みます。その後も活躍できるわけですし、高い買い物ではないはず。
プラグレンチを回してゆるめたら、そっと持ち上げてみてください。不思議なことにプラグがレンチにくっついてきます!笑
※落下防止でプラグレンチは磁気を帯びているため。
11万働いたプラグと新品の比較。
プラグ先端が消耗しているのが確認できます。この先端の金属間で火花がバチバチと散るのですが、ここが写真のように消耗して間が空きすぎていたり、汚れてしまっていたりすると、点火不良を起こしてトラブルの元となるのです。
これを新品と入れ替え、逆手順で進めていくだけなのですが、注意点が2つ。エンジンの中にゴミなどの不純物が落ちないように気をつけるのはもちろんですが、それ以外にも“プラグの締め過ぎ“に注意しなければいけません。
締めすぎると“アイドリングが不安定“になったり“パワー不足“を感じることがあるそうです。最悪の場合は“点火不良“などによって、もう一度取り外して締め直さなければいけません。
取り外す時に締め具合がどんなもんなのか確認しておいて「これくらい締めるんだ」と把握しておけば安心でしょう。
エンジン始動。
交換後は必ずエンジン始動で確認してみます。エンジンがかからないなどのトラブルがあれば、プラグだけでなく、取り外したコードなどは大丈夫なのかも見てみましょう(^^)案外、プラグ以外の「これ戻し忘れてた!」ということのほうが多いです。
プラグ交換後、運転してみても変化を感じることの方が少ないものですが、今回は実感がありました。アイドリングの安定、そして加減速での引っ掛かりもなくなり、とにかくスムーズに!
説明が難しいのですが、ブーーーンと頑張って走る感じではなく、スーーーッと流れるように走っているような感覚。そりゃあ11万kmもこき使われたパーツが新品になったんだから当然か(^O^)笑
燃費についてはこれから差が出てくることでしょう。ハイブリッド並の低燃費が特に気に入っている車両なので、さらなる良い結果に期待!真夜中の大移動で、最高燃費リッター29を記録したことがあったし、あの頃に戻ることを期待♪
14mmプラグレンチ。
交換工賃の見積もりでは、10万キロ対応のプラグ交換で約2〜3万円でした。しかし今回はセール品のプラグ(3本)約6,000円。持ってなければプラグレンチ1,000円。合計しても7,000円で済んだ計算。
作業時間は1時間程度。慣れていなかったり、セルフメンテナンスが苦手な人でも2時間はかからないでしょうから、休日にチャレンジしてみるのも良いと思います。
今回、撮影に使ったスペーシアでは上記の手順でしたが、もっと少ない工程で行える車種もありますし、基本的なやり方は同じ。プラグレンチも14/16/18mmの3種類がほとんどですので、自分の車のプラグは何mmなのか調べて買っておけば良いだけ。
もし1回しか使わなかったとしても、ショップ作業よりは遥かに安上がり。なによりスキルアップできるのは嬉しい限りではありませんか?
こういうの苦手だという人も、さぁ!レッツ・チャレンジ♪
次回更新日:10月21日
【アイビー探偵】
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