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survival ⑨

前回紹介したSOTO(新富士バーナー)のバーナーコンロはカセットボンベ(CB缶)を使うので「入手に困らない」「安くて経済的」というメリットが大きいアイテム。

しかし本格的なヘビーキャンパーや登山家の間ではよく見るカセットボンベではなく、太くデブ〜ンとしたガス缶「OD缶」がよく使われています。

ODとはアウトドアの略で、その名の通りアウトドアに向いているガス缶。どっちが良い悪いというわけでなく、用途によってどっちを選ぶのか変わってくると考えてもらえれば判りやすいと思います(^^)b

アウトドア缶はカセットボンベ缶の3〜4倍の価格帯が一般的。しかも大きく見えて容量は実は同じ(※下写真のような大容量ver.もあります)。特に登山家やヘビーキャンパーの方が使っているイメージが強いものですが、なぜそういった過酷な環境で愛用されるのでしょうか?カセットボンベとの違いを見比べつつ、それぞれのメリット、デメリットに注目してみましょう。

OD缶とCB缶

CB缶(左)とOD缶(右)

まずはカセットボンベ(CB缶)に焦点を当ててみます。

自宅にあるカセットコンロでボンベをセットして20分ほど鍋をグツグツ。ガス缶は熱気のそばにあったにも関わらず氷のようにキンキンに冷たくなっていることに気付いたことがありませんか?

これはガスを気化させて燃焼している時に熱を奪われて起こる現象なので正常です。夏場は少しくらい冷えたところで特に困ることはありませんが、冬場はすごく困ります。

ガスが冷えるということは気化しにくくなるということですので、燃焼効率が下がってしまい、ダイレクトに火力の問題へ。冷え過ぎれば気化することができなくなり、やがて燃焼すらできず火を起こせません。

カセットボンベの場合はノルマルブタンというガスが充填してあり、これは10度を下回ると気化しにくくなって5度以下になると燃焼自体ができないという特性をもつガス。

つまりあまりに寒いとお湯も沸かせない、調理もできない、なんてことになりかねません。着火できても気化熱によってガスは冷えていきますので、さらに効率は悪化して、やがて火は消えてしまうのです。

OD缶

アウトドア缶

街では25度くらいの過ごしやすい気温でも、いざ登山を始めると標高が高くなるにつれて気温がどんどん下がります。街では春秋の陽気だったのに山の上では冬並みの寒さ(^^;) 山でそれほどの気温差があるのは当たり前のこと。

標高が低くてそこまで寒くない場所や、肌寒い程度の森や河原などで使うぶんにはカセットボンベも全く問題ありませんが、そのままの感覚で登山装備として挑んだとしたらどうなるでしょう?

お察しの通り寒さゆえにガスが気化せず、調理もできなければ暖も取れないなんて事態になりかねません。実際、平野部でも真冬ではカセットボンベは非力に感じます。

ところがアウトドア缶の場合、山で極寒な環境だろうがちゃんと点火、燃焼してくれます。これこそが登山家の人達や、ヘビーキャンパーの人達が好んで使う理由。好んでというか、もはやアウトドア缶でないと話にならないからですが(^^;)

OD缶のガス種類

ガスの種類をチェック!

寒くても気化するのは、充填されているガスが全くの別物だからです。アウトドア缶に使われているガスは主にイソブタンやプロパンなど、寒くても使えるもの。イソブタンはマイナス5〜10度、プロパンに関してはマイナス40度でも気化できるガス。

1種類を充填してある場合もありますが、基本的には2〜3種類を混ぜ合わせてあるので、ものにより適用温度が違います。カセットボンベと全く同じノルマルブタンのみ充填されているものもあるので、用途や目的によっては中身がなんなのかきちんと確認しておく必要があるでしょう。

私の場合は支障がないうちはカセットボンベのバーナーコンロsurvival⑧の記事参照)を使い、寒い時やコンロが足りてない時にアウトドア缶を活用。コスパ優先で、できるだけアウトドア缶は温存(^^)必要ならアルコールバーナーも投入して3口で調理してますよ。

過去の記事【survival①アルコールバーナー】

ダブルコンロ

ファミリーだと最低2口は欲しい。

ノルマルブタンが充填されている安めのアウトドア缶で対応できる時はそれで済ませています。それなら2〜3口のコンロが必要でも、燃料費を気にせず消費できるから。

さらに、カセットボンベからアウトドア缶にガスを移動できる「充填用パーツ」も存在します。ただし、これはメーカー非公式。ガス缶にも「充填等の使い回しはNG」と記載されているので、堂々とはオススメできません。

しかし頻繁に使う人にとっては充填用パーツはありがたい存在。我が家は”念のための備え”として所持していますが、使う場合は自己責任ですよ。

使い回しもほどほどにしないと経年劣化による強度不足も生じます。へこみやサビを見つけた際もアウトドア缶の使い回しはやめて、新しい缶を用意しましょう。

使い切り前提で設計されているものですからパッキン類にも限界がありますし、使い回しすぎてパッキンゴムの劣化からガス漏れ、使用中に引火して爆発もありえる話。そんなことで大怪我したり御臨終になるなんてバカバカしいですよね。

CBからODへチャージ

セルフ充填は慎重に。

CB缶/カセットボンベと、OD缶/アウトドア缶にはそれぞれのメリットがあり、用途によって使い分けられます。夏はカセットボンベ、冬はアウトドア缶という使い方が最も経済的でしょう。

※カセットボンベだから全てノルマルブタンというわけでもないので、充填されているガスをチェックしましょう。これ高いな…というCB缶は大抵、低温でも燃焼できるガスが充填されていますよ。

冬の夜に屋外で使うとなればさすがにアウトドア缶に頼らざるを得ませんが、今はそれもなさそうです(^^;)なぜなら「キャンプ行こう!」と言うわりに妻は寒い寒いとうるさいので、まず冬キャンには行きません。笑

いつもの光景。

我が家では子ども達を連れて公園に行った時なんかでも、お湯を沸かして夫婦でお茶タイム。味噌汁やラーメンなどの軽食を取ったりと、わりと頻繁に湯沸かししています。

暖かい車内から降ろすから、外気温5度以下とかでなければ基本的にはカセットボンベでどうにかなってますね。そんなスタイルだから、バックドアにテーブルまで取り付けているんです(^^)

もしも「どっちのガス缶が良いんだろう?」と悩んでいるのなら、ご自身が使う季節や場所、ガスのコスパをどう考えるか、見た目の好みはあるのか、などトータルで考慮してみてくださいね!

 

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次回更新日:4月29日

 

 

 

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